〇〇のかたちを探す #7 加藤果琳|テーマ:隙間
〇〇のかたちを探す #7 加藤果琳|テーマ:隙間
パフォーマンス|[動く二枚の板に挟まれたビー玉のような出来事について]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170603/
なんとも言えないもやっとした感情は不意に訪れる。それは変な味のキャラメルを食べた直後や、4年間過ごした広島の歴史を考える時だったりする。そんな日常でおこる、なんとも言えない瞬間や物事の隙間について考えてみたい。
出演:加藤 果琳/企画:野本 直輝
場所:blanClass
日程:2017年6月3日(土)
開場:18:30 開演:19:30
ディスカッション「隙間について」20:30~
入場料:1.500円(ワンドリンク)
blanClass+column
今週の土曜日、6月3日は、〈〇〇のかたちを探す〉シリーズの7回目。
ゲストはアーティストの加藤果琳さん、テーマは「隙間」です。
加藤さんは、今年の春に広島の大学を卒業し、関東での活動をスタートさせたばかりのアーティスト。僕が彼女と知り合ったのもついこのあいだで、4月の頭くらいのことです。
なので、彼女の作品を直接見たことはないのだけれど、タンブラーのサイトで結構見れる。
そのうちの一つに、動いている被写体をひたすら3Dスキャンし続けるパフォーマンスがある。
本来3Dスキャンは、静止している状態の被写体の周りをスキャンするはずなのだけれど、被写体である人物が動いているから上手くいかない。スキャンデータはどれも断片的なものばかりで、ひとつのデータを見ただけでは、何が写っているのかほとんど分からない。
分かるのはただただ、動いている被写体の身体、それを追いかけるもう一人、断片的なデータの集積のみで、それぞれがひたすらに分離を繰り返している様で、交わる感じがない。それぞれがバラバラに、ずっと動いている印象だ。
今回のテーマは「隙間」で、またなんとも微妙なこと(もちろんいい意味で)になっている。
たぶん隙間といっても、空っぽのそれ自体ではなくて、そういう隙間があるがゆえに起こってしまう出来事までを含めて、なのだろうけれど。
呼吸のようにインプットとアウトプットを繰り返し、変化し続ける状態こそが生命だとする動的平衡状態という考え方があるらしい。
彼女にいわせれば、その動的平衡の状態と、隙間のあり方とを、重ねて考えてみることができるかもしれない、とのこと。
当日については、隙間を可視化するための、数人で行う運動?のようなことを考えているという加藤さん。
実際の空間でのことだから、隙間にも前後左右上下からの眺めが見られたら楽しそうだなと思う。それぞれいろんな方向から観察して、考えられたら面白そう。
(野本直輝)
加藤 果琳 Karin Kato
1992年生まれ。 広島市立大学彫刻科卒業。曖昧な関係性や形を様々な視点でビジュアル化するアート作品を制作する。参加展示に「スクランブルヒロシマ」(2014年/旧日銀行広島支店)、untitled-6(2016年/広島芸術センター)などがある。
http://999999karin.tumblr.com/
シリーズ 〇〇のかたちを探す
たとえば「ゆたかな生活」「しあわせな家族」「安定した職業」「充実した休日」のような、いつの間にか理想像になっている言葉やイメージに、私たち一人ひとりが本当に必要とするかたちは見つけられるでしょうか? 実際の経験では、それぞれがバラバラで、一言でまとめられたり、ひとつのイメージに回収されてしまうものではないはずです。このシリーズでは、毎回ゲストをお呼びし、「遊び」「家族」「労働」「健康」など、各回ごとに違ったテーマを設定して、作品発表とトークを行います。そのなかで、さまざまな概念に対する頑ななイメージについて問い直し、本当に必要なかたちがどの様なものなのか、参加者たちと共に探していきたいと思います。(野本直輝)
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