〇〇のかたちを探す #5 藤井 龍|テーマ:あきらめ
〇〇のかたちを探す #5 藤井 龍|テーマ:あきらめ
プラクティス|[皮算用&新しい狸]
http://blanclass.com/japanese/archives/20170225/
「あきらめる」という方法は、時に予定調和からの回避を可能にする。
でも、それに期待と信頼を寄せすぎるのは、いかがなものか。
出演:藤井 龍/企画:野本 直輝
場所:blanClass
日程:2017年2月25日(土)
開場:18:30 開演:19:30
ディスカッション:20:30~「あきらめについて」
入場料:1.500円(ワンドリンク付)
blanClass+column
横浜にあるblanClassで行なっているシリーズ企画、「〇〇のかたちを探す」の5回目が今週の土曜日、2月25日に開催されます。
今回のゲストはアーティストの藤井龍さん、〇〇に入れるテーマは「あきらめ」。
藤井さんとは2年前に行われたトークイベントに参加したときに出会って以来、そういえば一度も直接お会いするタイミングがない。
藤井さんの活動についても、主にホームページに上がっている記録を追いかけるだけで、直接拝見したことがない。今回の打ち合わせもメールかスカイプだったので、直接会うのがトークのとき以来2年ぶりの2回目で、イベント当日になる。何か変な緊張感がある。
去年、藤井さんが企画・発表した[Only dead space is still alive.]という展覧会について考えたことを少しだけ。
この展覧会は、藤井さんを含めた4人が参加したグループ展で、藤井さんは他の3人の作品設置後に、展示会場内でのそれぞれの作品について、ベストな鑑賞位置や他作品との距離、会場が持つ構造的な特徴との関係などから考えられる、「作品が孕んでいるサイズ」を検証し、床や天井にその範囲を示すためのテープを貼っていくことで、展示会場の中にもう一つあるかもしれない別の空間を探し出す、というようなことをしていた。
藤井さんを含めた4人の身振り手振りは、目に見えないけれどもあるかもしれない別空間の中での振る舞いとなり、お互いのサイズ感を引きずり合う。そうしてそれぞれの「作品が孕んでいるサイズ」を変動させ、会場全体がゆらゆらと運動し続けているようだった。
このときは、人間の持つ抽象的な感覚を、そのまま作品の素材として扱えないだろうかということを考えていたそう。
今回のテーマであるあきらめは、藤井さんの作品制作のうちのひとつの大きな要素だということで、[Only dead space is still alive.]で作っていた仕掛けにも、今回のテーマに通ずるところがあるんじゃないかと個人的には思っている。
何か、そもそも目の前にある状態をあっけなくあきらめた結果として、空間全体が活き活きして来るような印象を受けたからだ。
イベント当日は、そんな藤井さんのあきらめに対する最近の悩み?にまつわる何かが展開される予定。
いろいろな物事をあきらめきれなかったり、逆にあきらめ癖がついていたり、あるいは誰かからあきらめられたりとかも、、、ひとりでいろいろ思い浮かべてもあまりロクなことがなさそうなので、誰かと一緒に、あきらめについて考えてみましょう!
(野本直輝)
藤井 龍 Ryo Fujii
1987年岡山県生まれ。2013年東京藝術大学 美術研究科大学院 前期修士課程 彫刻専攻 修了。2011年Royal Academy Schools (London) 交換留学。
シリーズ 〇〇のかたちを探す
たとえば「ゆたかな生活」「しあわせな家族」「安定した職業」「充実した休日」のような、いつの間にか理想像になっている言葉やイメージに、私たち一人ひとりが本当に必要とするかたちは見つけられるでしょうか? 実際の経験では、それぞれがバラバラで、一言でまとめられたり、ひとつのイメージに回収されてしまうものではないはずです。このシリーズでは、毎回ゲストをお呼びし、「遊び」「家族」「労働」「健康」など、各回ごとに違ったテーマを設定して、作品発表とトークを行います。そのなかで、さまざまな概念に対する頑ななイメージについて問い直し、本当に必要なかたちがどの様なものなのか、参加者たちと共に探していきたいと思います。(野本直輝)
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