〇〇のかたちを探す #4 荒木美由|テーマ:なくなる

〇〇のかたちを探す #4 荒木美由|テーマ:なくなる

家族 、介護、おもてなし、料理、レシピ|[一瞬のごちそうさまのあとに、100年後の石の話]

http://blanclass.com/japanese/archives/20161203/


痴呆症の祖母と暮らして3年が経った。

あっという間に時間は過ぎていく。

ごちそうさま までの距離は長いのに、

食べてしまうのは一瞬。

“なくなる”ことについて、祖母のレシピからいくつかの料理を食べながら、話してみたい。


出演:荒木美由/企画:野本直輝

場所:blanClass

日程:2016年12月3日(土)

開場:16:30 開演:17:00

ディスカッション:「なくなることについて」

入場料:2,000円(要予約・ワンドリンク付)


〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。

〈タイトル〉〇〇のかたちを探す#4 予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数 6)食品アレルギーの有無

上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。

info@blanclass.com


blanClass+column

こんにちは、野本です。

「〇〇のかたちを探す」4回目のゲストは荒木美由さん!そして今回のテーマは なくなる です。

イベントのおおまかな内容は、近年、荒木さんが自身のプロジェクトの一環で行なっている、一緒に暮らす祖母の料理のレシピを再現し、お客さんに振る舞うというものです。

当日は17:00から食事をしながら、お客さんとある一定の時間を共有し、その中で今回のテーマである「なくなる」ことについて考えていくものになりそうです。

今回のテーマである「なくなる」は、これまで荒木さんが継続して行ってきた、ものに穴をあけ続ける作品と、祖母との暮らし、その祖母の料理を再現し他者に振る舞い食べてもらう行為、それぞれの体験をすり合わせながら一緒に考えるためのキーワードとして荒木さんが用意してくれた。

荒木さんは、痴呆症の祖母との暮らしで、到底理解できない祖母の振る舞いについて笑いながら話していたかと思うと、少しだけ遠くを見ながらじっと考え込んでいるようで、そうかと思うとまた少しだけ陽気にしゃべり出す。そして、祖母が亡くなるのを待っていると言う。

料理も食べると目の前から消えて無くなって、美味しかったとか、不思議な色だったとか、もう一度食べたいとか、いろいろ思いをはせることができる。物としての実体は見えなくなるけれど、誰かの身体の中に確かに刻まれるその舌触りのような、近いような遠いような抽象的な感触が、料理の本体だったと考えることもできる。

そんなふうにして、ネガティブな意味に縛られがちな「なくなる」ことについて、もっと視野を広げて、率直に話せる機会を設けたいというのが今回やりたいことの一つでもあるそう。

当日どんな料理が目の前に並ぶのか、穴を開ける行為と料理を再現し食べる行為とがどう絡まるのか、「なくなる」とはどんな状態なのか、僕自身もまだつかみきれていませんが、今まで荒木さんが行ってきたこのプロジェクトとはまた一味違った時間を体験することが出来るのではないかと思っています。

そして何と、当日来ていただいた方には荒木さんの祖母が今回のために用意してくれたスペシャルレシピがもらえるそうです!どんなレシピなんだろう。

ご多忙とは思いますが、是非この機会に荒木さんの新しいチャレンジを味わいに来てください!

(野本直輝)


荒木美由 Miyu ARAKI

1988年、東京生まれ。2013年、女子美術大学修士課程修了。様々なもの・ことに穴をあけるためにさまよっている。フットワークはわりと軽い。

HP: http://araki3u.net


シリーズ 〇〇のかたちを探す

たとえば「ゆたかな生活」「しあわせな家族」「安定した職業」「充実した休日」のような、いつの間にか理想像になっている言葉やイメージに、私たち一人ひとりが本当に必要とするかたちは見つけられるでしょうか? 実際の経験では、それぞれがバラバラで、一言でまとめられたり、ひとつのイメージに回収されてしまうものではないはずです。このシリーズでは、毎回ゲストをお呼びし、「遊び」「家族」「労働」「健康」など、各回ごとに違ったテーマを設定して、作品発表とトークを行います。そのなかで、さまざまな概念に対する頑ななイメージについて問い直し、本当に必要なかたちがどの様なものなのか、参加者たちと共に探していきたいと思います。(野本直輝)